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 システム開発に、如何なる技術や方法論を採用しようとも、データが一元的で整合性がとれた形式、いわゆるデータベースとして管理されていなければ、システムの肥大化/複雑化と整合性回復のための再構築と言う不毛のサイクルから逃れる事は出来ません。
もちろん、ここでデータベースと言っているのは、きちんとしたデータ分析により明らかになったビジネスのデータ構造に基づいて作られたビジネスの情報基盤の事で、単にDBMSに実装しただけのデータのことではありません。
また、再構築を長期間行わず、重複・冗長・無駄で肥大化したままの不安定で脆弱なデータ基盤の上に、過大なアプリケーションシステムを積み上げた結果は、考えられないような保守作業の生産性低下を招き、これが、情報システム部門の社内での孤立と、経営層からの信頼喪失を引き起こしています。
最近流行りの、システムプロダクツの導入や、ERPツールの導入、又は、ベンダーやSierでの特定アプリケーションの委託開発などは、部分的には新しい機能を容易に実現しますが、企業の情報システム全体で見れば、データ連携の負荷を増加させ、保守性低下に拍車を掛ける結果を招きます。
もちろん、これらは、PPやERPや新規アプリ自身に問題がある訳では無く、スコープ全体のデータ管理の、データ管理ポリシーとも言うべき、基本的考え方の欠如によるものです。
結果的に、情報システムに70%以上もの、重複・冗長・無駄があるとすると、現在、支出しているシステムコストの大半は、情報システムの作りの悪さに起因している事になり、ITガバナンス上の課題や経営者の責任問題にも成りかねませんが、悲しい事に情報システムの生産性や保守性をきちんとデータとして管理していないと可視化が難しい部分なので、大半の企業では、認識されていないものと想われます。
「DOA紹介」は、データ中心アプローチが、肥大化/複雑化を中心とする情報システムの根本的な問題への唯一のソリューションである事を皆さんにご理解頂く事を第一の目的としています。
既に、大半のシステムでは、一挙にデータ中心アプローチで再構築する事は困難です。
個別システムの再構築の機会を捉え、大きなデータ管理の枠組みに沿って、統合を推進すると言う計画的な対応が現実的なので、早い段階でデータ管理ポリシーなどを策定する事を勧めます。
また、DOAを進める過程でビジネスをデータモデルで可視化することによる、業務設計/分析工程での改善・改革への活用方法や、実装工程への円滑な接続についてもご紹介いたします。
そして、そのデータモデルが経営・業務に果たす役割と、情報システム部門での活用方法をご理解頂き、従来の方法論で行き詰まった情報システムから、経営のスピードに負けない情報システムに移行するための具体的な進め方についてご提案いたします。
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