MDMは、マスターデータマネージメントの略だそうですが、マネージメントと言うからには、例によって、マネージメントの対象となるものの良い状態と言うものが、ある程度明らかになっていなければ成りません。
しかし、マスターデータの良い状態を云々する前に、マスターデータとは何かと言うことについて、明らかにする必要があるでしょう。
今まで見てきたシステムで、マスターと呼ばれるデータは、その範囲から概ね3つのパターンに分かれます。
最も範囲が狭いのが、ビジネス上の存在を記録した部分のみをマスターとするパターンです。
顧客マスター・商品マスター・仕入先マスターなどが対象となります。
二番目は、ビジネス上の行為・出来事の記録部分もマスターに加えるパターンです。
受注マスター・契約マスター・入金マスターなどが加わります。
最も範囲が広いのは、コードやフラグ・区分などの定義情報まで含んでマスターとする場合ですが、これは、思うにハードディスクへの常駐ファイルをマスターと呼ぶ習慣があった所に、データの常駐化が進んだ結果ではないかと思われます。
どうやら、マスターと言う表現自体に大した意味は無いらしいので、その求める良い状態は、結局データ管理と同じく一元管理された状態と言うことになります。
また、いわゆるMDMツールと言う分野の製品説明にも、特にデータの特長による適不適は読み取れなかったので、一元化支援ツールとの理解で問題無いようですが、元がCRMツールのものなどは、顧客マスターに関する機能が特別に充実しているものなどがあるようです。